チケットを譲っていただくことが決まってから、必死に原作を読み、読み、読み…
この、原作本を手に入れるまでもそこそこ大変だったんだけど、心優しい友人が見つけてくれて手に入りました(ありがとう)
読み終わったのは確か初日を終えた後のANN、大倉くんのちょっと疲れてて緊張してるようなラジオを聞いてからの夜中3時。
深夜のテンションも手伝ってか、引くほど泣きながら読み終えた。
大倉くんも雑誌で話していたけど、この本がなかなかの曲者。ほとんどが監獄のなかでの二人の会話。女性の心を持つ男性モリーナが、若き革命家であるヴァレンティンの暇潰しの代わりに自分のみた映画を話聞かせるシーンがほとんど。
読むのに凄く体力がいるけど、率直な感想は
『これ、大倉くんがやるの?』
『こんな報われない話を?』
だった。
恐らくこの舞台は、二人が出ずっぱ。
舞台経験はほとんど無い大倉くんだから、重荷なんじゃないか、とか親でもなければ知り合いでもないのに心配だった。
でもまあ、いつも飄々と仕事こなしてるし大丈夫だろう、と。
が。
あらゆる雑誌のインタビュー。
WEB会員限定のブログ。
そして、一番本音が聞けるであろうANN。
『ほんまにやばい』
『ほんまにしんどい』
『むずい』
って、いつもの飄々としてではない、文面からも焦りとか感じられる大倉くんの言葉。
弱音はあまり口にしない大倉くんが放つ言葉にほんとにキューってなったし頑張れ!!とも思ったし、なによりそこまで深く考えて、この年になって悩みながらの初体験仕事を与えられた大倉くんを誇りに思った(I'm proudってやつ)
演技経験も10年目のこのタイミングで(ほぼ)初めての『舞台』という仕事を与えられた大倉くんを誇りに思い、『自担舞台』という自分の夢を叶えられた堪らない感じに期待を膨らませて初日までを過ごす。
ビビビ的な感じで譲ってもらってから、初日を迎え、溢れてくるネタバレにも負けず、個人的初日を迎えた。
ホテルのある駅から新大久場へ向かう山手線車内にて、蜘蛛女のキス看板を目に焼き付けて、新大久保駅に着く。
最近だと、イフオアの3月以来の新大久保。
自分が演じるわけではないのに吐きそうになりながら向かうグローブ座。
15分前くらいに到着し、とりあえず看板を連写。
チケットをもいでもらい、中に入る。
ヲタクとしてそこそこの期間大倉くん好きでいるけど、実は大倉くんには一度もお手紙を書いたことがなかった。
でも、この数日間。舞台までのこの期間、このお仕事がほんとにほんとに嬉しすぎて思いが溢れてしまって、友達にも背中を押されてお手紙なんてものを書いてしまったので渡した。
マグカップ(3個目)とパンフ(2冊目)を購入し、座席に着く。
ネタバレ観てないからどっちが大倉くん側かわからない。が、原作のイメージでは監獄の入り口を手前に考えて右側がヴァレンティン左側がモリーナと予想していた。
照明が暗転し、舞台が始まる。
序盤、いっけいさん演じるモリーナの台詞からスタートする。まだ声だけで全く見えない。
大倉くん演じるヴァレンティンもその会話に答える。
凄く凄く大好きな大倉くんの声で、ここでちょっと思いが溢れてしまって泣きそうになる(早い)
照明が点いて、ヴァレンティンが下手側。
入り口は向こう側だから私の予想は合ってた。
そこからはほぼ、小説と同じようにモリーナが見た映画の話が続く。
私はかねてから、大倉くんの演技は凄く好きで。
上手い下手、ではなく。大倉くんはその役になりきるというか憑依する感じで。
例えば『生まれる。』の時はいつもよりおとなしい感じだったし、『三毛猫ホームズ』の時はほんとネジをどっかにすっ飛ばしてた。
ヴァレンティンは、今までのそのどれよりもそれが感じられて。
見た目は大倉くんのはずなのに、いつもより痩せてたからか、見た目は大倉くんだけど完全にヴァレンティンだった。
咳をするのも憚られる位に緊張しながら双眼鏡を覗いた。
ベッドに寝ているヴァレンティンもとい自担である大倉くんの鼻の穴を多分生まれて初めて下から見た。凄く綺麗な形だな…って思った。
ヴァレンティンは少し長めの髪の毛をよくわしゃわしゃってやるんだけど、後ろを向きながらそれをやったときに、首の後ろのホクロ(関ジャニ∞が兄弟である証←の、私が好きなやつ)がまさかの見えて、その一瞬だけは大倉くんを感じたけど、それ以外は終始ヴァレンティンだった。
原作で難しくて理解できなかったところは凄く分かりやすく描かれていて、原作よりもモリーナは母性を感じたし、原作よりもヴァレンティンはずっとずっと素敵な優しい男性だった。
幕間は席を立たず、パンフを読むことにした。
15分しかないので、写真を眺め、さっとインタビューを読んだ。
後半のとこで、初代ヴァレンティンを演じた岡本健一さんのコメントがあった。
当時演じたときは、モリーナのような男性はまだあまり世間でも馴染みがなく理解してもらえなかった。自分も理解ができなかった、と。将来、モリーナを是非演じたい、とも書いていた。
大倉くんのヴァレンティンについては、ポスターを見た、と書いていた。彼のヴァレンティンもいいよね、って言ってくれていた所まで読んで、後半のブザーが鳴る。
『手を握ってくれないか…?』
の所では声にならない声を発していた。
それまでは監獄内のいち受刑者同士として接していたヴァレンティンとモリーナが、徐々に心を通わせる。感情の動き、みたいなものが二人の会話の速度だったり、声色だったり、そんなとこから感じられた。
さっきも書いたけど、原作よりもモリーナは凄く素敵な人で、自分が釈放されるためにヴァレンティン騙そうとするけど、ヴァレンティンを想うがあまりに自らその道を外れる優しさとか女性らしさとか。
ヴァレンティンは原作では真っ直ぐな思想を持っていて、かっこいい男性だったけど。それよりも優しくて思いやりもあって、カッとなりやすいけど自分が悪いことをした、となったらすぐに相手の気持ちを汲み取る繊細さもあった。
最後の、お互いがお互いの今後を話すシーン。
原作では文面にされているだけなので、どう表現されるのか楽しみだったけど、まさかのお互いが語るシーンになっていて、話し出してからもう無理だった。
モリーナが、外へ出てからヴァレンティンの仲間に接触することを承諾し、感激したヴァレンティンの思いが溢れてキスをするシーンから涙腺崩壊してたのに、それが続きすぎてもう無理だった。
原作では、あまりヴァレンティンのことは描かれていなかったように思うんだけど(拷問のシーンとかあまり無いよね?)、恐らくヴァレンティンは拷問の末、外へ出ることは叶わず生涯を終えたのか…な?
モリーナもヴァレンティンを想い、折角外へ出られたけど、自分のため、ヴァレンティンの為に死を選んだ。
ヴァレンティンもだけど、モリーナの心境も変わっていたんだよね。
それまではお母さんのために外へ出たい、生きていきたいって言っていたのに、
『母はもう自分のため人生を生きた。私は私のために生きていきたい』
って話した時には、モリーナはヴァレンティンの為に生きたいと思ったんだろうな。
これを書いてる新幹線の中でも、既に泣きそうで大変である。
凄く静かに、辛さも残しながら、でも個人的には少し暖かな気持ちも残りながら舞台が終わった。
カーテンコールは3回。
3回目はスタオベだった。
ジャニーズ舞台って、必ずスタオベするよね。昔は違和感だったけど、まあこれがジャニーズ舞台だと割りきってスタオベをした。
スタオベで出てきたヴァレンティンとモリーナ、最後まで二人はヴァレンティンとモリーナだったけど、最後の最後、扉を閉める瞬間。
ヴァレンティンがこっちを向いて、ちょっとドヤ顔でガッツポーズしてて。
その瞬間大倉くんで、もう泣きながら『かわいい…』って呟いていた自分。
本当に本当に最高の舞台だった。
この舞台を見ることができて本当によかったし、この舞台のヴァレンティンを自担が抜擢されたことはほんとに誇りに思うし、ほんとに贅沢だけどもっと入りたい、と思った。
私が拾いきれなかったヴァレンティンとモリーナをもっと目に焼き付けたいと思った。
大倉くん好きになってこんなに時間がたった今、色んな仕事を見てきた今、初めてのこのストレートプレイ舞台という仕事で夢が叶えられて、本当に応援してきてよかったと心の底から思えた。
未だに毎回想像の斜め上から夢を叶えてくれて、本当に心の底から大好きだと思えた。
思いがますます溢れてしまったので、貰ってきたアンケートにしたためて送ろうと思う。
また、観劇の機会に恵まれたら、拾いきれなかったヴァレンティンとモリーナを探しにいきたいと思う。
大倉くん、お疲れさまでした!!
最高の舞台でした!!